矢作川研究所日記

2015/11/16

セミナーを開催しました (有川 崇 氏)


「矢作川の多自然川づくりのこれから」 有川 崇 氏(2015/11/16)

有川氏は矢作川の多自然川づくりに取り組んでおられます。現在進められている矢作川に架かる橋の工事について、地形的な特徴を踏まえ、分散型落差工など各種工法をきめ細かく組み合わせて、川を再生するプランをご紹介頂きました。川底の固くなった矢作川では、人が適切な手法で改修しないと川が動かないとのことでした。また、川の中に橋脚ができることによって、洗掘による瀬の破壊というマイナス面だけでなく、土砂がたまりやすい場所ができてアユの産卵場が形成されるというプラス面もあるというお話が意外でした。(洲崎燈子)



2015/11/04

セミナーを開催しました (角 哲也 氏, 萱場 祐一 氏,浅見 和弘 氏)

矢作川のダム下流の河川環境回復を目指したプロジェクトの一環で、3名の専門家をお招きし、下の通りセミナーを開催しました。

第1回「ダム下流環境改善のための総合土砂管理」京都大学防災研究所 角 哲也 氏(2015/6/30)
第2回「ダム下流における生物相の変化と砂供給が河川環境に及ぼす影響の評価」土木研究所自然共生センター 萱場 祐一 氏(2015/10/15)
第3回「ダム下流のフラッシュ放流・土砂還元による環境改善〔事例紹介〕について」応用地質株式会社 浅見 和弘 氏(2015/11/4)

ここで少しだけセミナーの内容をご紹介します。ダム下流において河川環境の変化を最小限に抑え、自然河川に少しでも近づけるために、「流れの回復」として維持流量の放流や増量、フラッシュ放流など、「流砂の回復」として土砂還元や排砂バイパスの建造などが進められているそうです。矢作川で比較的、短期間に取り組むことができる方法はフラッシュ放流や矢作ダムに貯まってしまった砂をダム下流に置く土砂還元になります。ただ、これらの方法も事前の準備が不可欠で、例えば砂州の復活を目的とするならば、先に樹林化してしまった河畔や中洲の木を伐採し、地表面が洗われやすくしておくことが必要だそうです。加えて、対策の効果を把握するためのモニタリングも重要で、その手法についてもマニュアル化が進められているとのことです。これまで日本全国で行われた事例では付着藻類などの剥離を目的としたフラッシュ放流、魚類の生息環境改善や河床低下の抑制を目的とした土砂還元などがあるそうです。矢作川も、まずはどこをどう改善したいのか明確な目標設定を行い、方法を検討して進めていきたいと思います。(白金晶子)




2015/07/25

岩本川探検隊

良く晴れた夏の日、豊田市扶桑町の岩本川で「岩本川探検隊」が行われました。
「探検隊」は、川の力を活かした自然再生を住民主役で行う「岩本川ふるさとの川づくり事業」の一環。研究所は豊田市河川課、一般社団法人Clear Water Projectとともに、プロジェクトの一翼を担います。
この日は30人ほどが参加。誰一人「岩本川で遊んだことがない」子どもたち、最初は見よう見まねのおっかなびっくりでしたが、生き物を捕まえた途端、笑顔満開!
岩本川にはカワムツやシマドジョウ、ヨシノボリなどたくさんの生きものがいることがわかりました。「近くなのに知らなかった。また、子供といっしょにとりにきます!」と嬉しい感想もいただきました。(吉橋久美子)




2015/06/02

ニホンミツバチの巣箱を設置


矢作川研究所の3階屋上に、ニホンミツバチの巣箱を設置しました。ニホンミツバチは、日本に生息している野生のミツバチで、矢作川の河畔にも生息しています。今回、中部日本みつばちの会の方から、名古屋市内で捕獲したニホンミツバチを譲っていただきました。これから、豊田市の街中でニホンミツバチがどのような花を訪れるか調べる予定です。
多くの野菜や果物は、昆虫が花粉を運ぶことで実をつけることができます。このような昆虫のはたらきは普段あまり気にしていませんが、とても重要なものです。もし花粉を運んでくれる昆虫がいなければ、人間が食べる野菜や果物がなくなってしまうからです。ニホンミツバチをとおして、このような昆虫の働きを調べてみようと思っています。(岸茂樹)



2015/05/30

有間竹林愛護会勉強会


豊田市旭地区の有間町で活動している愛護会主催の勉強会と懇親会に参加しました。洲崎研究員による、望ましい河畔林の管理手法の話を愛護会員のみなさんが、とても熱心に聴いている姿は印象的でした。また、懇親会でふるまわれた会員の手作り弁当は、この場所で採れた竹の子を使用した竹の子ごはんや惣菜で、綺麗になった河畔で食べる竹の子ごはんは格別に美味しかったです。実は次の日もこの場所へ行き、子どもと一緒に魚釣りをしました。2日間に渡って矢作川の自然を感じ、癒されたのも、愛護会の皆さんの日々の活動のおかげと感謝しています。(内田良平)