矢作川研究所日記

2016/03/19

上流域の水辺愛護会活動報告がありました

旭の農林会館にて、矢作川上流域の河畔林(川辺の林)で活動する水辺愛護会の活動報告会が行われ、約60名が集いました。
豊田市矢作川研究所から河畔林について紹介をしたあとに、大河原水辺愛護会、縄文の里水辺公園愛護会、矢作自治区水辺愛護会、有間竹林愛護会、小渡セイゴ水辺愛護会による活動報告がありました。
竹の伐採や草刈りなどの活動によって、活動前は見通せなかった対岸が見渡せるようになったこと、会員の方々が子どもの頃に遊んでいた水辺の風景がよみがえったことなどが成果としてあげられました。また、伐採した竹を地域のイベントで用いたり、子どもたちを招いてタケノコ堀りをするなど、地域ごとの個性豊かな取り組みも紹介されました。(吉橋久美子)




2016/03/12

初音川ビオトープ愛護会報告会


この日は早朝から愛護会の整備活動が行われており、14名の方々にお集まり頂きました。報告会ではビオトープおよび周辺の水質・動植物の調査結果、ビオトープの改修工事、豊田市内の愛護会活動についてお話しました。ビオトープは陸上の動植物が多様で豊かになり、周辺の多くの方々に利用される憩いの場となっている一方、池の中の生物は減少しており、今後の対策が必要であることを報告しました。愛護会の方々からも日々の活動で困っていること、改善点などについてお話し頂き、活発な意見交換が行われました。今後は愛護会の方々と共働で、改修工事前の池のかい掘り調査や木炭による水質浄化活動を計画しています。(白金晶子)



2016/03/05

第12回 矢作川学校ミニシンポジウム

豊田商工会議所で開催されたミニシンポジウムでは、13題の発表がありました。高校生では矢作川河畔の活動「セセラギプロジェクト」(豊田東高等学校)の報告や矢作川で捕獲したスナヤツメに関連する実験(愛知教育大学附属高等学校)などの発表がありました。大学生および大学院生では、矢作川の底生動物と河川環境に関する研究(愛知工業大学)、外来カメをテーマにした研究(愛知学泉大学・名古屋大学)、矢作川河畔の植生の研究のほか、ドローンカメラや全天球カメラという新しい記録方法の試み(大同大学)の発表がありました。高校生、大学生および大学院生の発表が並ぶなか、小学校5年生の森川さん(豊田市立青木小学校)が「矢作川の水と浄化方法を調べよう」と題してポスター発表をしてくれました。
今、一つ一つの発表要旨を読み返しています。矢作川という自然を相手にした現場調査では多くの苦労があったことでしょう。エクセルと格闘し、データを取りまとめた夜も多かったことでしょう。10 ~ 15分という短い発表時間に皆さんが経験された沢山の試練が凝縮されていました。ミニシンポにおける互いの発表が刺激となって、皆さんの今後の研究が一層深まるとうれしいなと思います。(内田朝子)




2015/12/21

セミナーを開催しました (三橋 俊雄 氏)

「遊び仕事としまつ―持続可能な生き方の再考」京都府立大学名誉教授 三橋 俊雄 氏(2015/12/21)

「遊び仕事」とは「子どもの遊び」と「生業(経済的活動)」との中間に位置する行為だそうです。自分が食べる分だけ捕まえるタコ釣りやモクズガニ捕り、山菜採りやウサギ捕りなどがそれにあたります。この、大人が胸躍らせて自然と対等に向き合う「遊び仕事」こそ自然共生社会への入り口である、として、京都府宮津市での調査事例等をご講演いただきました。また、「しまつ」は素材を大切に使い切る生活哲学だそうです。
会場からは、これらは矢作川流域でもごく自然に行われてきたことだとご発言いただきましたが、ライフスタイルの変化や環境の変化から、若い世代にはあまり引き継がれていないようです。もう一度自然に目を向けるためのきっかけとして「遊び仕事」はとても魅力的に思えました。(吉橋久美子)



2015/11/29

平成27年度矢作川シンポジウム「川と緑でもっと輝け! 豊田のまち」を開催しました!


豊田産業文化センターで矢作川シンポジウム「川と緑でもっと輝け! 豊田のまち」を開催しました。
第1部「矢作川を元気にしよう! ─ 豊田市矢作川河川環境活性化プラン ─」では東京大学の熊谷洋一名誉教授が、生物多様性基本計画の趣旨と重要性を踏まえた川づくりについてユーモアを交えて話されました。続いて、研究所の早川所長がめざす未矢作川の姿を「自然環境」「まちづくり」「流域管理」「人の利活用」の4つの視点から描く、豊田市矢作川河川環境活性化プランについて紹介しました。
第2部の「まちを冷やす川と緑  ─豊田気温測定調査2015報告会─」では愛知教育大学名誉教授の大和田道雄名誉教授が、豊田市でヒートアイランド強度が高い現状と、矢作川の気温軽減効果について述べられました。その後8月8日に実施された気温測定調査について、豊田西高生の和泉君と大嶋君が同校の生徒が測定した3地点の測定結果と感想を紹介し、洲崎から全地点の調査結果とヒートアイランドの発生・移動状況、その軽減対策について報告しました。
その後のディスカッションでは、パネリストの赤堀良介氏(愛知工業大学)、生駒みどり氏(豊田まちづくり株式会社)、成瀬順次氏(児ノ口公園愛護協会)、有田幸司副市長からそれぞれ川づくりとまちづくり、まちの緑地の存在意義と行政の立場を踏まえたコメントを頂きました。豊田市が矢作川の未来を描こうとしている活性化プランの多面的な姿をご紹介できたのではないかと思います。(洲崎燈子)