矢作川研究所日記

2016/10/06

河川環境調査でドローン活躍中!

低空飛行で空撮するドローン


ドローン、みなさん使ったことありますか?
上空から風景を見られるなんて、まるで鳥になったようで素敵ですよね。
矢作川研究所では今年結成された「豊田市ドローン飛行隊」に入隊し、ドローンの優位性を活用した調査研究を行っています。

10月4日から、逢妻女川、逢妻男川においてカメ類の生息分布状況を把握するために、ドローンによる空撮を始めました。
水辺の動物がどんな場所に多くいるのか、どれくらいいるのか、といった現状把握をする際は、目視で確認したり、罠を仕掛けて捕獲したりするのが一般的です。
カメ類の場合、甲羅干し(ひなたぼっこ)をするため、目視での確認がお手軽な調査方法かと思っていたのですが、
人が近づくとカメたちは一斉に水中へ逃げ込んでしまいます。
さらに川岸に背の高い草木や竹などが生えている場所では川を見ることさえできません。
そこで、人が近づかずして川の様子が見られ、人からは川面が見えない場所でも上空から撮影できるドローンの優位性に期待がかかります。
カメ類調査のためのドローン空撮は10月28日まで順次行ない、その後空撮した映像を解析します。

ドローンを活用した河川環境調査の様子は、
市政番組「とよたNOW」10月5日(水)のニュースでも取り上げられています。

カメ類の調査は、環境省との共同で、愛知学泉大学矢部教授の指導のもと行っています。
詳しくはこちら(報道発表資料へリンクします)



2016/10/01

鳴く虫観察会を開催しました



10月1日(土)の夜、矢作川河川敷の千石公園で「鳴く虫観察会」が開催されました。当日は時折、パラっと雨が落ちることもあるムッとした天気でしたが、21人の方にお集まり頂きました。参加者のみなさんは「蚊」の襲撃に悩まされていましたが、虫の観察にはもってこいのコンディションでした。足元が悪い中、ご参加頂いたみなさまどうもありがとうございました。






観察会ではバッタ・コオロギの研究で博士号を取得された㈱建設環境研究所中部支社の小田健一先生に、鳴く虫の解説して頂きながら河川敷を歩きました。




2016/08/30

研究成果報告会のとりまとめをしています


 6月25日に「いいじゃん矢作川!もっといい川にしよまい!」研究成果報告会を開催しました。名鉄トヨタホテルを会場に210人のかたにご参加いただきました。

 特別講演としてザ!鉄腕ダッシュ!!でおなじみの木村尚さんによる「自然再生の意義」に関するお話しをしていただきました。NPOの立場から海辺の自然再生を市民とともに行なっている目木村さんだから話せる、参加者や行政に対する想いを聞かせていただけました。

 成果報告では洲崎、山本(敏)の両主任研究員が「鮎子(声:吉橋研究員)の一生」に沿って、矢作川の河川環境に対する研究所の取り組みを紹介しました。

 報告会のメインである意見交換では、内田研究員とはるかちゃん(笑劇派)が進行役として会場を盛り上げながら、参加者の意見や水辺の活動団体の声を受け取り、壇上の木村さん、洲崎、山本(敏)、坂本竜児さん(とよたエコ人プロジェクト)との意見交換をすすめました。

 当日ご協力いただいたアンケートでは、「具体的な内容がわかった」「目に見える成果を」「発表が工夫されていた」「工夫しすぎ」「もっと研究所をPRすべき」など多くのご意見を頂戴しました。
 身近には感じにくい「河川の環境の問題」ではありますが、これからももっと多くの方に知って頂けるように情報発信を引き続き強化していきますので、よろしくお願いします。



当日は研究グッズ、水族館の展示もしました。研究員からの展示物の解説時間がとれなかったことも反省しています。



2016/08/26

エビ・カニ調査を行いました

6月から毎月、明治用水頭首工の上流と下流3ヶ所ずつで、エビとカニの調査を始めました。7月からは越戸ダムより上流で1ヶ所、巴川で1ヶ所の計8ヶ所で行っています。エビやカニの中にはヒラテテナガエビやミゾレヌマエビ、モクズガニのように川と海を往き来しないと繁殖できない「通し回遊性」の種類がいます。魚類ではアユやウナギなどが有名ですが、矢作川でこれらの魚類に加え、エビやカニが頭首工やダムの魚道を上手に利用して、上り下りできているかどうかを調べています。





調査では頭首工より下流で、写真のようにたくさんのモクズガニが捕獲されました。





大きさを記録するため、その場でノギスを使って甲長(殻の幅)を測るのですが、8月の調査では持ち上げた時に毛が生えたグローブのような逞しいハサミで挟まれてしまいました。






エビ類はスジエビ、テナガエビ、ミゾレヌマエビなどが採集されました。
9月にも調査を行い、通し回遊性のエビ、カニ類の生息状況を把握する予定です。



2016/08/20

岩本川探検隊を行いました(岩本川ふるさとの川づくり)

 真夏の青空のもと、扶桑町の扶桑公園に、手に手にタモ網を持った40人の親子が集合しました。昨年二度の「岩本川探検隊」に続く「岩本川探検隊2016夏」、今回は川遊びだけでなく、7月に地元のみなさんで行った「川づくり」の効果も見たいものです!(参考:2016/07/17日記)
 受付では、子ども達の遊び心をふくらませるための楽しいしかけ、「ikimon GO!」のプリントが配られました。魚やヤゴ、カエルなど、川で見られる生き物の写真にはそれぞれ星が1~5個、付いています。今日は、見つけた生き物の星の数を、家族対抗で競うのです。


 説明を受けて、さあ川へ!7月の「川づくり」でつくった「足場」は大活躍。格段に降り易くなっています。


みんなでごみを拾ったあと、いよいよikimon GO!スタート!参加者はカワムツの稚魚やニシシマドジョウ、ハグロトンボなどを次々に発見し、あちこちで歓声があがっていました。


 そして結果は…?浚渫した区間は生き物の数はやはり少ないようでした。でも、種類数は未浚渫の上流とほぼ同じ。「川づくり」でつくった「生き物のすみか」や「魚が移動しやすい魚道」がいい影響を与えているのでしょうか?
 たくさん星をゲットした3家族に表彰状が渡された後、「楽しかった!」「この川にこんなに生き物がいたとは!」という感想とともに探検隊は終了しました。
 岩本川創遊会はこれからも川の力を生かす川づくり、生き物が豊かで川遊びができる川づくりをしていきます。そのために、長く続く活動の仕組みを構築しようとしています。