矢作川研究所日記

2017/07/22

岩本川探検隊2017開催!

<ドジョウ3兄弟を探せ!>

市内の扶桑町と百々町の間を流れている岩本川で「岩本川探検隊2017」が行われ、
10組約30人の親子が楽しく川遊びをしました。



岩本川は豊田市の「ふるさとの川づくり事業」のモデルとして、
地元住民と豊田市(河川課・豊田市矢作川研究所)が「川づくり」を
行っている川です。

2015年度は住民懇談会で岩本川の思い出を語り合い、今後の「未来希望図」を描きました。
2016年度は川づくり体験を行って、地元で川づくり団体を立ち上げようという機運が高まり、
2017年3月に「岩本川創遊会」が立ち上がりました。

2015年度から毎年行っているのが「岩本川探検隊」であり、
今年の主催は「岩本川創遊会」となりました。
岩本川創遊会は今後自立した団体として活動しますが
研究所はサポート役として今回関わらせていただきました。

さて今年のテーマは「ドジョウ3兄弟を探せ!」です。
岩本川には、ドジョウ、ニシシマドジョウ、ホトケドジョウの3種類のドジョウがいて、
それぞれ好む場所も違うので川の多様性を考えるのにとてもいいモデルになります。

ドジョウだけでなく、「ブルーギル、ウシガエル、アメリカザリガニ」の「外来種3兄弟」や、
参加者オリジナルの「岩本川○○○3兄弟」も見つけよう!!
とみんな勇んで岩本川に入りました。


川では「冷たい!」「気持ちいい!」と歓声があがり、子ども達はガサガサで
どんどん生き物を捕まえていました。


さてドジョウ3兄弟は見つかったでしょうか?

その前に、捕れた生き物の観察です。
クリアケースに入れた生き物を一生懸命スケッチしました。


最後に表彰式。
ドジョウ3兄弟を見つけたチームが一組ありました!
表彰状と缶バッジが岩本川創遊会会長より贈られました。

アンケートでは「思ってたよりたくさんいてびっくりしました」(子ども)
「子どもだけでなく親も楽しめた」(大人)
「地域の川でこのような川遊びが出来るのはとてもいい経験だと思います」(大人)などの
感想をいただきました。

暑い暑い1日でしたが子ども達も大人も楽しいひと時を過ごしました。
今の岩本川がどのような環境であるかを体感し、
何が足りないか、どうすればそれを満たせるのか、
今後の川づくりのヒントをみんなで考えることができたと思います。

岩本川探検隊2016の様子はこちら
岩本川探検隊(2015年)の様子はこちら
川づくり体験会(2016年)の様子はこちら 



2017/07/18

アユの遡上調査終了しました

6月末をもって明治用水頭首工の魚道でのアユの遡上調査が終了しました。今年は左岸側の魚道でのべ144万尾を記録し、観測史上最高だった昨年(両岸の魚道を合計して1003万尾)にははるかに及ばないものの一昨年(128万尾)をやや上回りました。2010年以降では昨年に続いて多く、稚アユのサイズも大きかったので順調な遡上があったといえます。近隣の河川では長良川の遡上数(河口堰観測)が1995年の観測開始以降で3番目に多い遡上数、また天竜川でも遡上が多いときいていますので、東海地方では天然アユの生育はよかったようです。


遡上した稚アユ



2017/07/15

青木小学校PTA主催「矢作川で遊ぼう」への講師派遣

 7月15日(土)に越戸公園前の矢作川の分流で青木小学校の親子約100人がガサガサや釣りで川遊びを楽しみました。
 矢作川ほど大きな川では、ガサガサを楽しめる場所が多くないですが、この場所は中洲により川の流れが2つに分かれ、ちょうどよい規模の川になっています。さらに、石倉水辺愛護会による川岸の草刈りなどが行われていて、川に近づきやすく、とても雰囲気の良いところです。
 




今回初めて、この場所を整備する愛護会の方々とこの場所を利用する親子をマッチングしました。「川遊びする親子を見に来てください」とお願いしたら、釣り糸の結び方やエサの付け方、昔の生き物の話などで参加者親子との交流もしてくださいました。このような関係が今後も続いていってほしいです




2017/07/12

初音川ビオトープで植物と昆虫の調査を始めます

当研究所は一昨年より、水辺愛護会活動の活性化に向けた取り組みの一つとしての養蜂に着目し、ニホンミツバチの飼育を行っています。今年は市内中町鴻掛にある、逢妻男川支流初音川のビオトープに巣箱を設置しました。


初音川ビオトープに設置された巣箱

さらに今年は、ニホンミツバチがすみやすい水辺づくりをめざし、初音川ビオトープ愛護会の皆さんのご協力のもと、草刈り実験にも着手しました。これは、在来種を中心に花をつける植物を増やし、ニホンミツバチやその他の訪花昆虫が蜜を集めやすい環境を作ろうという試みです。

具体的には、通常の方法で草刈り機を使って草を刈るエリア(草刈り区)のほかに、繁茂しやすい大型の外来植物やつる植物のみを、手刈りや引き抜きなどにより除去する「手刈り・引き抜き区」を設け、植物の種類や開花状況、花に集まるミツバチの数を比較します。これらに加え、手刈り・引き抜き区の中に、刈り取りや引き抜きを全く行わない「対照区」をつくることを決めて、この日調査枠を設置しました。



 外来草本の引き抜き作業     手刈り・引き抜き区         対照区
(2017.6.5 初音川ビオトー
 プ愛護会植物観察会)

さまざまな野の花が咲き、たくさんのミツバチが訪れる草原をつくるために、これから調査を行っていきます。


     ヌマトラノオ



2017/06/11

ミシシッピアカミミガメの広域一斉防除を実施しました

 豊田市アカミミガメ防除プロジェクト実行委員会(会長 矢部隆/愛知学泉大学教授)は、環境省「アカミミガメ対策推進プロジェクト」の一環として、地域住民・企業・大学・行政の共働体制によるアカミミガメ防除を進めています。
 今年度は、6月2~4日に逢妻女川で、6月9~11日に逢妻男川で、アカミミガメの広域一斉防除を実施しました。この6日間で、地域住民・協力企業から延べ486名の方々にご参加いただき、合計で1096個体のカメを捕獲しました。このうち、在来種のニホンイシガメは4%(44個体)、スッポンは19%(203個体)であったのに対し、外来種のアカミミガメは75%(823個体)を占める結果となり、両河川における増殖の実態が明らかとなりました。
 今後は、捕獲データの詳細な解析を行うとともに、カメ類をはじめ水生生物等の生息に関する調査を実施して、防除効果の検証を進めることにしています。

※ プロジェクトの内容や防除の様子は、市政番組「とよたNOW」の特集で紹介しています。
  ぜひ、ご覧ください。
  2017年7月3日(月)「捨てガメをなくそう アカミミガメ防除プロジェクト」  
 


写真1 「籠わな」の設置状況(左)と捕獲したカメの取り出し作業(右)


写真2 運搬されたカメの計測作業(左)と計測の指導を受ける豊田西高生(右)